Thursday, July 31, 2003

47日目 終盤を迎えて今振り返る 北海道一周自転車の旅

2003年07月31日  終盤を迎えて今振り返る 北海道一周自転車の旅
 
 一体今北海道にどのくらいの数のチャリダーがいて、走っているんだろう、一体今日本全国にどのくらいのチャリダーがいて、走っているんだろう。200~300人、もしかしたら500人くらいいるかもしれない。みんなそれぞれ目標があり、目的があり、それを達成するために、或いはそのための手段として、毎日どこかの道を走っている。
 
 僕もその一人。僕には僕の旅の仕方がある。明後日苫小牧に着けば北海道一周自転車の旅の中盤が終わり、後編が始まる。そんな今日、自分がどんな旅をしてきたのか振り返りたい。
 
 僕の一日の平均走行距離は70km程度で、ほかのチャリダーに比べてやや短い。だから朝の出発も遅いし、到着が早い。その日の予定を立てるときも、100km先になんという町があるか、寝られそうな所があるかを探すのではなく、進行方向に見てみたいものがないかを探すので、一日50kmしか走らない日もあった。逆にいつもの倍の135km走ることを自ら選んだ日もあった。寝場所が見つからず、日が暮れても走ったことが数回あった。一日何kmと決めて予定通りに移動することは、僕にとって意味のないことだった。むしろ、昼の3時に寝場所としてよさそうな所が見つかれば、日が落ちるまで同じ場所でゆっくり考え事をすることを、大切な時間と呼んだ。橋の真中で立ち止まり、丘の上で立ち止まり、川の水や空の雲の流れを眺め、止まって動かない絵のような景色を眺めることを、大切な時間と呼んだ。
 
 人と会うこともまた勉強だった。色々な土地の色々な人の話を聞いて、自分の知らなかった多くのことを学んだ。人と、寝るところを合わせ、走るペースや会話の内容を合わせることもまた勉強だった。一夜だけの出会いを大切にし、みんなと一緒に楽しく食べ、話すこともまたかけがえのない勉強だった。
 
 途中で通る町の1つ1つについて知ることも大切だと思った。どんな小さな町でも、そこに住む人間がいて、守っている文化や自然があった。温泉、鉄道、花、丘、羊、そば、道、グライダー、鹿、鳥、昆布、湿原、霧、駅、風、カニ、ホタテ、馬、サンタクロース、ナウマン像、カキ、峠、夕日、監獄、湖、映画、歌、祭り、流氷、雪、ラーメン、滝、岬。自転車で走る意義とは何なのか。僕は毎日欠かさず150km先に移動することに喜びは感じたくない。走りながら、変化する景色や町を少しでもよく知り、体感したい。
 
 来年、或いは数年後、僕はきっと自転車で日本一周すると言い出すだろう。そのときは、半年かかるところを1年、1年かかるところを2年かけてでも、自分の目に映るもの1つ1つに感動しながら走りたい。
 
 北海道一周自転車の旅、終盤は道南地方と、青森ねぶた祭りのおまけ付き。余った時間をゆっくりと楽しみたいと思います。
 

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